2236 朱地飛鶴文
2236 朱地飛鶴文
●鶴
真っ白な鶴と松、梅の柄が浮き立つシンプルな色打掛
鶴は古くは「たづ」とよばれ神鳥と考えられておりました。
遠くまで響く鳴き声は、天まで届いているかの如く“天上界に通ずる鳥”として尊ばれてきました。
文様としての鶴は「鶴は千年」といわれるように長寿の象徴として古くから用いられ来ました。
また、鶴の特性でつがいが仲良く一生を添い遂げることから夫婦円満の象徴でもあります。
吉祥文様として愛されてきたのはそれだけが理由ではなく、鶴のほっそりとした姿や悠々と空を純白の羽毛で飛ぶ姿の美しさ、舞う姿は非常に美しく上品なことからです。
このような理由から、古くより用い愛されている吉祥柄であり、現在では鶴の柄は結婚式の色打掛にも定番の柄にもなっています。
●梅
梅は、古来より、梅は寒さ厳しき冬に、香り高く咲くために、特に尊ばれてきました。
梅の毎の文字は母親を表しますが、厳寒の最中、香り高き花を咲かせる梅の姿は、まさに子を産み育てる母親の強さ、尊さに重なります。松や竹と組み合わせて、「松竹梅」とされる縁起の良い花です。
●松
「松」が入っている絵などみると、それだけで高貴なイメージを与えてくれます。
松の緑色は常盤色(ときわいろ)であることから常盤木と呼ばれ、あるいは千年の齢を保つとして吉祥樹とされてきたことから慶事ばかりでなく一年中用いられます。
●牡丹は百花の王とされ、幸福、富貴、高貴、豪華さをあらわします。
豊年の兆しとなるめでたい花「瑞花」として、幸福や富貴の象徴として描かれてきました。
また、牡丹の「丹」は不老・不死の仙薬を意味することから、不老不死、不老長寿という意味も持っています。