2742 本金引泊地色打掛/源氏物語図譜の御紹介
この色打掛は引箔という織り技法によって織り上げた色打掛になります。
引箔に使用する模様箔は、和紙台に金や銀のベースの箔を貼り、その上にラッカーやウルシ でぼかしを入れたり、模様をえがいたり、またその上に金、銀、色金などの砂子をふったりと、何重 にも作業を重ね、色鮮やかに仕上げられています。
その模様箔の原反を特殊な裁断機で、約1㍉の細さに裁断されます。
裁断され、完成した模様箔を織機の引箔装置にセットし一本一本模様を合せながら、織り込んで いきます。 織り上がった帯地は、その模様箔がとても綺麗に映え、見る角度によって光沢が変化 して見えます。
束ね熨斗(たばねのし)柄
熨斗を何本か重ねたものを「束ね熨斗」と呼びます。
昔はアワビの肉を薄く削いで帯状に引き伸ばし、乾燥させ熨斗鮑にて神様へのお供え物にしました。それを元に文様化したものが熨斗文様です。
細い帯状の熨斗を何本か重ねたものは「束ね熨斗」と呼ばれ着物の柄などでよく見られ、細い帯一本一本に吉祥文様などが描かれとても華やかです。
多くの人々から祝福を受け、その幸せを周囲の人達と分かちあって欲しいという意味で、贈り物としての気持ちや、人々との絆や繋がりを表し、その長さから長寿の象徴でもあるとても縁起の良い文様です。その文様の特徴から折り目正しく重ねるとゆう意味もあり、婚礼衣装などにも使われています。