2925 友禅赤地打掛
御所解き文 (ごしょどきもん)
江戸中期から後期にかけて流行した小袖模様の一種で、楼閣山水に四季の草花や牛車、檜扇、烏帽子(えぼし)などの御殿風な柄が散らしてあり多彩で派手やかな模様になり、現在でも訪問着,振袖などによう使用される柄です。
明確な定義も、定まった様式もありませんが、着物の柄の中で現代の女性にも人気の文様が御所解き文様です。
江戸時代中期から後期に、大名の奥方や御殿女中の衣服に御所解き文様という独特な意匠が用いられたようです。
文様としては山水の風景や花々、御殿などの家屋や枝折り戸などの風景でした。これが明治時代になって武士階級が崩壊し、庶民が力を得てくると、町人の間でもこの優雅な文様を公然と身につけられるようになりました。
なぜ御所解きというかについては諸説あり、御所風の流れや、その小袖を一度解いて仕立て直したからなどと言われています。いずれにしても、御所とは関係のない文様であるのは明らかです。
※こちらは手描き友禅の色打掛になります。
手描き友禅の特徴は手描きならではの細やかなニュアンスや、線の細さです。 また、同じ物を大量に作ることは難しく一点物がほとんどになります。
手描き友禅の制作工程は主な工程だけで9つあり、そのすべての過程で熟練の技術が求められ、 一点一点、根気と時間をかけて仕上げられる手描き友禅は、それゆえに高い価値を誇ります。