2952 友禅黒地打掛
●2952黒地手描き友禅打掛 貝桶に菊、橘、梅、紅葉の柄 五つ紋入
「貝桶」とは、平安時代から伝わる貴族の遊びの1つ、「貝合わせ」の道具を収めておく入れ物のことです。
「貝合わせ」は、その名の通り、内側に蒔絵や金箔で装飾されたハマグリの貝殻を用いて、対になる貝を見つけるという遊びです。
この遊びは、ハマグリなどの二枚貝の「同じ貝殻としか組み合わせることが出来ない」という習性を利用しており、この習性から、貝合わせ=「夫婦円満の象徴」とされるようになりました。
そして、公家や大名家の嫁入り道具として作られたり、婚礼の道具としても重要な意味を持っていたので、婚礼行列の先頭で運ばれていたりしていました。
このようなことから、「貝合わせ」・「貝桶」=夫婦円満・ぴったりの相手に巡り合えるようにという意味を込めて手描き友禅の色打掛を友禅で制作しました。黒地が晴れやかな印象を高めてくれる、婚礼の日にふさわしい着物です。
※こちらは手描き友禅の色打掛になります。
手描き友禅の特徴は手描きならではの細やかなニュアンスや、線の細さです。 また、同じ物を大量に作ることは難しく一点物がほとんどになります。
手描き友禅の制作工程は主な工程だけで9つあり、そのすべての過程で熟練の技術が求められ、 一点一点、根気と時間をかけて仕上げられる手描き友禅は、それゆえに高い価値を誇ります。